情熱大陸がオンエアされる日の朝にチケットを購入しておいて良かったというくらいの超満員でした。 スタンディングにすればもっとたくさん人は入るのでしょうが，やっぱりそれはタテさんの音楽のスタイルには合わないですね。
実際に生で彼女のライブを体験した人から声量があるということは聞いてましたが，思っていた以上にガンガンくる声でした。 カラダがなっているとか空気がなっているとかいうカンジではなく，とにかくタテさんの中にあるエネルギーをできるだけ損失なしにストレートに出したってイメージ？ あと彼女の一部の音域が今日の会場とか機材にあったのかやけにガンガン響いてくるとこがありました。 今日の演奏で使用されたアップライトピアノが音にバラツキがあったり，メカニカルな理由から金属的な音がすることがあったり，環境としては決して万全とはいえないものだったと思いますが，今日は観客がなかなか良かったのではないかと。 仙台人には常日頃キビしいつもりのワタシですが，今日のライブのお客さんは音楽を聞くということに関しては素晴らしかったと思います。 これまで経験したクラシック以外の舞台では最高だったかもしれません。 とにかくタテさんが出す声やピアノの音をじっくり見つめていたカンジでした。 特に一曲目なんてタテさんがサステインペダルを踏みっぱなしだったせいで，いつまでも弦が鳴っている音が聞こえていたのですが，観客も一音も立てないでじーっとそれに聞き入っていました。 こんな経験はあまりありません。 それ以外にも曲が終わってもタテさん自身が作ってくれるきっかけで初めて拍手している(いい意味で)ようでした。 ワタシもそうだったのですけどね。 決して彼女の曲を知らないから終わったかどうか不安で．．．というわけではなかったと思います。 （「イキモノタチ」からの曲も多かったですし）
と，観客の感想はこの辺にして。
タテさんの実演に触れるのは今回が初めてでしたが，小谷美紗子さんと同じようにピアノにも歌にもパワーがあって独自の世界を持っている人だと思いますが，質はかなり違うような気がしました。 タテさんの方が(多少自意識過剰な感がないではないですが)ストイックで，気持ちをストレートに出すようにされてますね。 それは歌やピアノの弾き方・歌い方のスタイルにも現れていて，小谷さんの方が技術的には安定していて，ピアノもきれい(といってもかなり力強いですが)な印象。 小谷さんと比較してそう思わせてしまうってのは，どんだけワイルド？なスタイルかということです。 もちろんピアノや歌のテクニックに問題があるというわけではなくピアノも歌もうまいです。 アレンジもなかなか凝っていますし。 ただそんなことより何より彼女のたたずまいとか，アタックの強さとかから感じるエネルギーの印象が何よりも先立つのです。
最近，職場の人間関係というものが希薄で，定時に退社して電車に揺られて帰宅してダラダラ過ごしてという日々が続いていて，感情も貧弱になっていたのが，今日タテさんのストレートなピアノと声の周波数の直撃を浴び続けて，なんだかココロがちょっとは振動しやすくなったような気がしたり。 そういえはライブを見てる人って腕組んでみたりしてる人が多いですけど，今日のライブでは(会場がせまいから皆気を使ったというのもあるでしょうが)，腕を組んでいる人というのはついぞ見かけなかったような気がします。 みんなただただタテさんの方向から聞こえてくる音に耳をすませていました。 ワタシは音に集中するために３分の２ぐらいずーっと目をつぶってたような(^-^;
とにかく振動させてもらいました。 ありがとうございました。m(_ _)m
