『アヒルと鴨のコインロッカー』

仙台フォーラム3にて。
在仙の作家による仙台を舞台にした小説の映画化ということで,「フラガール」のときに迫るお客さんが集まっていました。

原作を読んだ方には「あのトリック」がどのように表現されているか,が気になるところだと思います。 感想にはその部分をさけて通るわけにはいかないと思うので以下はネタばれありの感想です。

アヒルと鴨のコインロッカー』の映画化が発表されたときに気になったのは,やはり原作では作品のかなり後半に明らかになる「ふたりの河崎」のこと。 んで,キャストを見てみると瑛太と濱田くんの名前があったものの「もうひとりの河崎」の名前にあたると思われる人の名前がなかったので,もしかして「あの河崎」も「この河崎」も瑛太が演じるの? と,それはそれで興味があったのですが,うまいことサラッと「ふたりの河崎」のことが描かれてありましたね。 しかもそのタネ?は比較的早い段階に明らかになってしまい,原作を読んだときほど「あ゛〜っ」というカンジを味わえなかったのがザンネンでした。 しかし思った以上に無難に表現できていたと思います。

それ以外の感想というと河崎とペットショップ店長の人はいいけどクールなカンジがあまり表現されていなかったかなぁと。 あと小説の話者となる主人公から見て理解しにくい行動・性格のキャラクター(この話でいうところの河崎)が出てきて,その人を動きを中心に話が進むわけですが,そのキャラクターについて語る主人公の感想もどこかズレてたり風変わりだったりするのが伊坂作品の味かなぁと思っているのですが,濱田君の演技でないキャラクターにちょっと助けられたところがあるかなぁと。 単に無気力な人?に見えるような気もしたり(^-^;

ただ大きくこれはダメだろー(-_-)というところはなかったので,なかなか良い作品ではないの?というのが感想です。 原作を読んでない人にもストーリーが理解されて,ドルジが味わった恋人の喪失と友人の喪失の悲しみが伝わればよいなぁと。 そういえばドルジがブータン人であることに起因するアイデンティがいろんなところでドルジの口から語られて,それがまた良い話だったりするのですが,結構削られてたかな?なんて。

原作を未読の方の感想をお聞きしたいですね。 未読の方であってもストーリーが理解できたということであれば,よその土地の人たちにもオススメしようかなぁと。